つみほ スレスレなるままに

現実と非現実の境目をふらふらと往き来するかのような日常の記録

推し米〜それ以外は他に何も要らないと思えるほどの米は確かにある

#わたしの推し米

米が好きだ

好きすぎて困るくらい、、いや困ることなど何もありはしないのだが、毎年刈入れの時期になると思い出す、もう30年以上も続いている困りごとがひとつだけある。

その旨さに感動し、生産者に「これから毎年いただきたい」と申し入れをして快諾を得たにも関わらず、翌年からパタリと消息が途絶え、結果的にそれ以来一度も口にする機会が得られない米があることだ。

もう正確に何年前だったか思い出せないくらい以前、本当に一度だけ食する機会を得た米、ヤフオクで手に入れたその米の名前は「五色米」といった。

・五色米との出会い

生産者自らが出品していた、と記憶している。

淡路島で生産されているその米は、普段は絶対に食卓に上らないのだと生産者は言った。

旨いから是非食べてみてください、
気に入って貰えたら幸いです。。

 

実は淡路島には、遠い遠い親戚筋に当たる家族が住んでいた。

とても気のいい人たちで、学生時分に友だちと淡路島に海水浴や海釣りなどに出掛けた折にはよく、宿飯の恩義に与ったものだ。

海辺の町ということで漁港も近く、魚料理が美味しかった。

また釣った魚はどんなものでもササッと調理してくれて、夕食に並んだりしていた。

当時、自宅近くの海でもよく釣れるが下魚として見向きもせず捨てていた「テンコチ」という魚が、見事な煮魚とフライになって出てきた時には、友人と顔を見合わせて驚いたのを覚えている。

さて淡路島で農業を営んでいたその親戚筋は、スイカやなす、キュウリやトマトなどを栽培して生計を立てていたが、米はやっていなかった。

だからというわけでもないが、淡路島で米が生産されていることを私は知らなかった。だからヤフオクの出品記事に「淡路島産五色米40キロ」のタイトルを見つけたとき、眉唾ものだと思った。

けれども「魚沼産コシヒカリ」や「宮城のササニシキ」といった、旨さに定評があったり知名度があったりする米はやたらに高額だったし、別途送料が掛かったりでなかなか手が出せない中、この米は送料込みの上、即決で落札できる金額設定になっていた。

40キロのまとめ買いでなければ、とうの昔に売り切れになっていたんじゃないかと思う。

そういうわけで、半ば必然的というか仕方なくのレベルでこの米を購入した。

・五色米の旨さは感動モノ

届く前、生産者(出品者)から、精米するかどうかを尋ねられた。

玄米で届けるか、精米して届けるか、あるいは七分撞きもできるという。

日保ちさせるには玄米が良いが、自宅近くには米屋以外に精米できる場所がない。

流石に精米だけを頼みに米屋に行くのは憚られることを伝えたら、二分撞きだったか四分撞きだったか、あまり聞きなれない割分撞きを勧められてお願いした記憶がある。

届いた米は少なくとも玄米ではなかったが、素人目には七分撞きと区別がつかなかった。

食べてみて旨かったら、実家の母にも食べさせてやろう。

それくらいの軽い気持ちでいたのだが、その機会を得る前に、なんと!!

40キロもの米が、本当にものの見事に一ヶ月も経たないうちになくなってしまった!

理由は明快、、めちゃ旨かったのだ。

後にも先にも、米だけで十分!
〜おかずも何も要らない、米だけあればいい!

そう心から思えたのは、このときだけだった。

まさに朝から晩まで、米だけを食べていた気がする。

もともと、米を肴に酒(日本酒)が呑めるタチなのだが、このときほど酒が進んだことはなかったなあ。。

・五色米の炊き方

ああ、米といっても炊かずに食べていたわけではもちろんない。

ちゃんと炊いて食べていた。

お焦げごはんが好きだったから、炊飯器は使わず専ら、無水なべや羽釜で炊いていた。

大都市とまでは行かずともごく普通の都会にはなっていた自宅近くで、羽釜でごはんを炊くのはかなり厳しいから、無水なべが重宝した。

ちなみに羽釜を使うときはワラ火が一番いい。

すぐに燃え尽きてしまうから場を離れられない大変さが伴うけれど、炊き上がったごはんを食べたら苦労なんて吹っ飛んでしまう。

無水なべで炊いたごはんも十分に美味しいんだけれど、羽釜で炊いたごはんに比べるとやはりちょっと物足りないかな。

・またいつか必ず

それはともかく、その旨さに感動した私はすぐさま生産者に追加をお願いしたのだが、あいにく完売してしまったという。

そこで、冒頭の「これから毎年いただきたい」となった。

生産者は笑って、

そこまで気に入ってくれたのには驚きましたが嬉しいです。

わかりました、
どれくらい送れるかはわかりませんが真っ先にお送りしますよ、
楽しみにしていてください。

と快諾してくれた。

その約束は以来、ずっと果たされずにいる。

けれどそれを待ち続けている私がいる。

・あとがき

手に入らないかもしれない米を「推し米」とすることに抵抗がないわけではないが、一押しの米を挙げるとき、やはりこの米を外すわけにはいかないというのが本音だったりします。

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