つみほ スレスレなるままに

現実と非現実の境目をふらふらと往き来するかのような日常の記録

豊橋から新大阪へ戻るのにはこだまを利用します

豊橋での仕事を終えて新大阪への帰路に就いております。予定より2時間ほども早く仕事が終わったので、帰りの新幹線の時刻も少々切り上げて急ぎ家路についたようなわけです。

豊川・豊橋辺りはずっと以前に1年半〜2年ほど暮らしたこともある思い出の地ですが、流石に彼の地を離れて20年も経てば、知り合いの一人も残っていません。知人の最後の一人が彼の地を離れてからさえ既に3年ほどの年月が過ぎているわけですから、本当に時間の経つのは早いものですね。

当然、僕が20代の頃に交流のあった、この地で生まれ育った人たちも、その多くが就職や家庭の事情で散り散りになっていて、今では昼間に界隈を歩いても出くわすことはないでしょう。

尤も、仮令出会してもお互いにそれと気づかないかもしれません。

さて、帰りの新幹線はこだま利用です。新大阪からの往路ではこだまでなくひかりを利用しますが、帰りはこだま。これには明確な理由があります。

時間帯に関係なく、豊橋から乗ることのできるひかりは、どういうわけか名古屋でのぞみ乗換になるのです。もちろんそのひかりは名古屋止まりではなく、ちゃんと博多まで行きます。

調べてみると面白い事実が浮かび上がりました。普通に新幹線の切符をみどりの窓口で購入する場合、豊橋から新大阪までずっとひかりを利用できます。ところがスマートEXなどのEX予約を利用すると、豊橋からひかりに乗るプランでは、名古屋でのぞみに乗り換える前提でしか予約ができないのです。一方でこだまに乗るプランだと豊橋から新大阪まで、ずっとこだま利用で予約ができるのですから不思議ですね。

こだまを利用する場合に気になるのはその車輌のスペックです。幸いなことに、予約を切り上げて乗り込んだこだまも、往路のひかり同様にN系の車輌でした。よって、最前列および窓側席には家庭用電源と同じ100Vacのコンセントが装備されています。あと、こちらは期待していなかったのですが、ネットワークも新幹線Wifiサービスの提供がありました。

流石にこだまなので、ひかりのように途中の駅すっ飛ばしはなく完全に各駅停車です。

けれども時間的に余裕があり、車輌のスペックも問題ないのであれば、こだまを利用することで乗換の煩わしさがないぶん、選択肢としてアリではないでしょうか。

さて、ひかりや〜こだまや〜など利用する新幹線はともかく、やはり電車旅は駅弁なしでは語れませんね。

今回の帰路旅は、晩ご飯には少し早めの時間帯ということもあり、ガッツリ晩ごはんの量は要らないので、お手軽な量の駅弁がいいと考えました。そこで、せっかくなので稲荷弁当を選びました。

稲荷弁当というのは文字どおり『おいなりさん』の弁当です。おいなりさん=いなり寿司、稲荷ずしとも書き、また単純に『いなり』とも呼ばれるスナックフード。甘く煮た揚げにごはん(主には酢飯)を詰めたお寿司です。スナックフードと呼ばれるに相応しく、ごはんどきの主食の代わりのほか子供のおやつ代わりにもなる美味しい食べ物です。

お手軽さが売りのいなりずしですが、その作り方は簡単なようで実はそれなりに手間が掛かります。また揚げを煮る醤油出汁の甘さ加減には個性があり、それがそのまま家庭の味であったりすると言います。

僕は割と甘めが好きなのですが、じゃあ甘ったるい味がいいかと言うと、単に甘々な味では中に入るごはんとの相性が悲惨なことになってしまいます。きつねうどんに入っている甘煮の揚げを想像して貰えば分かると思うのですがどうでしょう。甘煮の揚げは、そのきつねうどんの味の善し悪しを決める重要なピンポイントになっていると思いませんか?

件の『稲荷弁当』ですが、JR豊橋駅の在来線側構内の店で売られているものを購入しました。プレーンのいなりばかり入っているものが一番シンプルです。この店のいなりは揚げの味が少し濃いめ。ただ甘々ということはなく、みりん醤油の鮮烈な味を惜しみなく楽しめます。揚げの味はともかく、揚げについた甘煮のツユが少ないものも多い中、この店のいなり寿司はツユがたっぷり。全体的にしっとりしたいなり寿司なので、どちらかと言うとおやつ系、スナック感覚で食べられます。

今回僕が購入したのは、季節の旬の食材が酢飯と共に入っているもの。

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といっても、酢飯と共に揚げの中に詰め込まれているのではなく、いなりをひっくり返し、ちょうど揚げを海苔に見立てた軍艦巻きのような格好にしたその上に旬の食材をのっけた、見た目にもキレイないなり寿司が4つと、甘煮の揚げに酢飯を包んだだけのシンプルないなり寿司が3つ、合計7つが入って税込730円の手頃な稲荷弁当です。ガッツリまではいかず、かといって腹持ちも悪くない、まさに今の時間帯、今の僕にはピッタリと思える分量の弁当と言えます。紅ショウガも付いていて、シンプルながら至れり尽くせりな寿司弁当です。