つみほ スレスレなるままに

現実と非現実の境目をふらふらと往き来するかのような日常の記録

長良川の鵜飼会場は金華山の麓、見上げるとそこには月と城が見事な陰影を描いていた

まさか一度も鵜飼を見に行ったことがないとは。。。

もちろんナビはあるんですが、ナビを使わなくても先輩の車の後ろをついていけば良いんじゃないか〜??っていう甘い考えがなかったと言えばウソになります。

何しろ初めての土地ですし、時間的な余裕もあまりないわけですから、知っている人の後についていけば良い、、って思いたくもなりますよね。

い、いや、そんな理由で先輩を鵜飼に誘ったわけではないですが。。。

 

でも見に行ったことはなくても、先輩は流石に地の利のある地元人という感じで、長良川の大体の場所は把握されていました。

ナビがあっても土地勘がないと、やっぱり無理ですねぇ。

何度も道を間違えてリルートされ、突然右折したりUターンしたり、、、もう凄まじく大変だったと思うんですよ、私のクルマの後ろについて来るのは。。

でも気づいたら通り過ぎた道の先で待っていてくれたり、うーむ、やっぱり先輩の車が先に行ってくれても良いですか〜みたいな(汗)。。

それでもなんとか長良川の鵜飼記念館だかの建物がある場所まで辿り着きました。

ところが、事前に鵜飼事務所の電話受付の女性の方に教えていただいた無料の駐車スペースが見つからないんです。

それで、漸く見つけたパーキングらしいところに入ったのですが、バーが下がっており当然のことながら有料、それもかなりお高い(汗)。。

コインパーキングの入り口を塞ぐ形でクルマを駐め、再度鵜飼事務所に電話をかけて尋ねてみたところ、なんと!!どこをどう間違えて走って来たものか、目的地は対岸側にあることが判明。

折しも、そのパーキングに駐車しようと入って来た車があり、出るに出られない状況に陥りかけましたが、そこでも先輩が大活躍してくれて一路、対岸側へ急いだのでした。

あー、やっぱり先輩はスゲーわ、、、(大汗)。

対岸側に着くと、ああ確かにありました、受付の女性の方が説明してくれたとおりの目印が。。。

それを頼りに進んでいくと、そこには長良川の河川敷にほど近い長良川公園の無料駐車場がありました。

人出の多いときには車が入り切らず、河川敷に駐めることもあると聞いていた駐車場は、溢れて駐められない車が列をなす、というところまではいってませんでしたが、私と先輩がそれぞれ駐車スペースを見つけてクルマを駐め、長くつに履き替え機材を持って河岸に向かう頃には、やはり入り切れない車が順番待ちをするくらいにはなっていました。

あと少し到着が遅れていたら、と冷や汗が出ました。

駐車場から河岸までは、河川敷を横切って5分ほどの距離でしたが、長くつを履いていることもあり少々時間がかかりました。

辺りは、もう随分と陽が傾いてはいたもののまだ明るさがありましたので、機材を持ち運びセッティングするのに手間は掛かりませんでした。

私と息子がセッティングをしている間、先輩は手持ち無沙汰かな、、と心配もしたのですが、全然そんな感じはなく、方々を歩き回ったり鵜飼船を眺めたりしていました。

そうなんです!!

私たちが長良川に着いたときにはもう既に、鵜飼船(観覧船)は出船した後で、鵜飼事務所の女性が教えてくれたこの場所、「鵜飼ポイント」の近くに停泊していました。

鵜飼観覧船はこの場所で、鵜舟が鵜を伴って走って来るのを待ちます。それまでの間に、食事(鵜飼弁当)付きの鵜舟を予約した人は弁当を食べますし、それ以外の人たちもトイレを済ませたりします。長良川の鵜飼船にはトイレ船というのがありまして、以前に聞いたときは日本に二艘しかないんだが、そのうちの一艘がこれなんだと教えてもらった記憶があります。

さて不意に先輩が、あそこの山、、と指差した方を見ると朧雲の掛かった月が見えます。風が強いのか、雲が千切れるように流れる中、月が雲間に顔を出したり隠れたりしていたのですが、それより気になったのが山の上の建物、、まるでお城のように見えます。

実はこの山は金華山で、つまりお城のように見えたのは正に信長の城、岐阜城でした。

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金華山の頂上に岐阜城が見える

そうこうしているうちに辺りはどんどん暗くなり、手元不如意になって来ました。

息子はスマホのライトを頼りに、入念にカメラセッティングをしているようでしたが、私の方はもう「なるようになるさ」という感じで気軽に構えていました。

停泊していた鵜飼観覧船が次々に岸を離れたと思ったら、それぞれの船の船頭さんが互いの船の舳と船尾をもやいで繋ぎ、川の流れに平行する形で直線に並びました。

トントントンという少し低めの拍子木のような音が鳴り響き、鵜飼が始まりました。

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鵜飼の始まり

以前、家族で鵜飼船に乗ったときには、鵜飼船が鵜舟を追って遡上したものですが、今回のは一直線に並んだ鵜飼船の向こう側とこちら側を鵜舟が走る、つまり鵜飼船はその場に留まっていて、鵜舟だけが川面を走るような構図になっていました。

確かにこのやり方なら、鵜飼船に乗らなくても河岸から鵜飼を見られるな。。

鵜飼事務所の女性の方に教えて貰ったことの意味が、その時漸く分かりました。

篝火に照らされ火の粉が舞う中で、鵜匠の操る鵜が水しぶきをあげながら川に潜っては顔を出し、また潜っては顔を出し、そして魚を捕えるとすかさず鵜匠がその鵜を船上に引き上げて吐き出させる、、そんな光景が続きました。

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鵜匠と鵜の共同作業は続く