つみほ スレスレなるままに

現実と非現実の境目をふらふらと往き来するかのような日常の記録

湯村温泉の外れにこじんまりと佇む伯雲亭に泊まりました

今回の宿「伯雲亭」は、湯村温泉街の傍らを通る国道を湯村温泉沿いに進んだ先、湯村温泉の外れに位置している旅館です。小ぢんまりとした中でもそれなりにしっかりした佇まい見せて建っていました。

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伯雲亭の外観(掲載許可:ゆこゆこネット)

国道から伯雲亭へは朱色の欄干橋を渡って入るのですが、なんとも言えず良い気分になります。優越感、というほどのことはないのですが、現世から朱塗りの橋を渡って浮世へいざなわれる感じ、、んー、説明が難しい(汗)。。

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国道から伯雲亭へは赤い欄干の橋を渡る

せっかくの旅行ですから、気分だけでも現実世界から逃避したい。あくまでも個人的な気持ちですが、そんなささやかな願望を叶えてくれた感じがして嬉しかったです。

宿に入るとおっとりした感じの綺麗な女将さんが迎えてくれます。変な意味でなく、少し天然が入って優しい感じのする女性です。和装ではなくラフな普段着の格好をされていたのですが、物腰は柔らかでほっこり気分にさせてくれます。気取らずリラックスできる宿に感じました。

 

さて、伯雲亭に着いた私たちは取るものもとりあえず宿のフロントで女将さんに、

・晩ご飯にありつけてないこと。

・近くに食事できるところがあれば教えてほしいこと。

を告げました。

こういう客は多いのか、手際よく周辺の地図を広げてその時間帯に開いている店を教えてくれます。同時にオススメらしきお店に電話を掛けて、まだ開いてるかどうか、何時まで開いてるかを尋ねてくれました。

生憎、女将さんオススメの店は、普段ならまだ小一時間ほどは営業されているらしいのですが、たまたまその日は来客が途切れて久しく、少し早いが閉店を決めた直後だったようです。女将さんは少し残念そうに、また、申し訳なさそうに他のお店を紹介してくれました。

いずれも湯村温泉街にあるごく普通の料理屋で、地場の食材を使った料理とは程遠く、地元の方々が普段使いされるお店だとか。

残念だけど仕方ない。

三軒ほどの店が集中している場所があったので、最終決定は現地で店を見て考えることにしました。

湯村温泉街を抜ける道で行くと歩きで10分ほどとのこと。クルマなら2、3分で着く道のりではありますが、果たして行った先の店に駐車場があるかは不明。あるとしても店の横とか前とか、そんな近くにはなく、店から歩いて5分くらいのところにある場合が多いと聞いて、それなら街散策も兼ねて歩いていこうと、息子を促して出かけました。

着いた場所は下町風の暗がり(笑)。。

一つは餃子屋、一つは定食屋、最後の一つは中国料理店、でした。店の雰囲気をみて、また、息子がラーメンを食べたいというので「笑来園」という名前の中国料理店に入りました。

 

実は息子は、昼間検索した湯村温泉のご当地ラーメンがこの店のメニューだと思い込んでいたらしいのです。実際にはその店のメニューに「愛しテールラーメン」なんてものはなかったのですが、折り悪しくその店のメニューに黒く塗りつぶされていた料理があり、もしかしたらなくなったのかも、、、なんて話をしていました。

あまり良さげなメニューがないので、私は息子に、この店をやめて他の店に移ることを提案したのですが、もう水を飲んじゃったし、他の店もどうか分からないし、何よりお腹が空いてるから、、、と言って動こうとしません(苦笑)。。

結局、私は中華弁当を、息子はしょう油ラーメン定食を頼みました。

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私が食べた中華弁当はどこにでもありそう、、

まあ、ごく普通の可もなく不可もない味でした(汗)。。

 

中国料理店を出た私たちは宿へ戻りがてら湯村の温泉街を楽しんでみることにしました。

温泉街の中央には川が流れています。

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温泉街の中央を流れる春来川

春来川という名前だそうですが、泉源が近いのと川の両側にある旅館やホテル、名物の21メートルもある長い足湯から流れ込む温泉のお陰で湯気が立ち、温泉川といった風情を呈していました。

足湯の周りには、うえの湯つぼ、したの湯つぼという、高音の温泉で温泉タマゴを作ったり、野菜をゆがいたりできる公共の場所がありました。

うえの湯つぼでは、女性が編みかごの中にタマゴを入れそれを上から吊るして湯の中に入れて温泉タマゴを作っていました。連れの人が写真を撮っていたところをみると、観光客かもしれません。

したの湯つぼはうえの湯つぼより高温らしく、魚のアラやよりアクの強い山菜などをゆがくために使うようです。うえの湯つぼとは異なり、蓋を開けて中にものを入れてしまう構造になっているようでした。

そんなのを見ながら、川べりにある足湯に足を入れて湯の温度を楽しみました。湯の温度は少々高めで45度くらいあるように感じました。私には気持ちのいい温度でしたが息子には熱すぎたようで、しょっ中、足を出し入れしていました(笑)。

 

宿に戻ると、部屋には既に布団が敷かれていました。

伯雲亭の風呂は内風呂と露天風呂があり、いずれも湯村温泉と同じ泉質です。但し泉源から離れているせいか泉温は34.8度と若干低めのため加温しているとのこと。

肌がなめらかになる感触がうれしい、肌に優しい温泉でした。