つみほ スレスレなるままに

現実と非現実の境目をふらふらと往き来するかのような日常の記録

岡見公園の傍らに佇む喫茶店「岡見」の水出しドリップコーヒーは絶品のオススメです

店長さんオススメの手ドリップ水出しアイスコーヒーには、小さなチョコ菓子が2個付いてました。毎回同じものが出される訳ではなく、その時々に手許にあるものをお裾分け感覚で付けてるのだそう。

とすれば、私たちは相当ラッキーだったのかも。

というのもその小菓子はまためちゃくちゃ美味しくて、2個のうちの1個を息子に食べさせたらお土産に買っていきたいね、だって(笑)。。

 

店の中から見た眺望ももちろん素晴らしかったけれど、窓枠に切り取られた景色ではなく眼前に広がる大パノラマを直接肌で感じたいというのが本音。

ひととき穏やかな時間を過ごした後、店を後にして外に出ました。

 

この店は、岡見公園という国定公園の傍にあります。

店長さんオススメというレベルに留まらず、いわゆる山陰海岸ジオパークの一画を担っているのです。

息子が、海岸線に下りられないかなというので崖っぷちを覗いてみると、しっかりした道ではないのですが、それとなく人が通った跡というレベルの、でもさほどハイレベルな技能を必要としない程度の簡易的な登山道みたいなものがチラホラ見えます。

じゃあちょっと行ってみようか、ということになって下り始めました。

んー、速い。。

さっさと下りていく息子の背中を追いながら、なんとなく複雑な気持ち。

ついこの前まで、私の後ろを怖々と、でも遅れないようにチョコチョコついて来ていたのに。。。そして私も、息子がちゃんとついて来ているか転んだりしていないか、背後に気を配りながら先導したものですが、今や息子のほうが足取りもしっかりしていて、歳月の流れと共に息子の成長を感じました。

もっとも、いつもそうという訳ではなく、体力や筋力に拠らない、経験というか年の功ならではの強みが発揮できるような場面では、やはりまだまだだな、と思うところもあって、密かな楽しみになっています。

下りた先は、海岸線といっても切り立った崖に囲まれた入り江のようになっていて、岩場のすぐ近くにまで波が打ち寄せてました。

息子はしきりに海や岩場にカメラを向けて写真を撮っていましたが、自分を撮ってくれといい出しました。

なんでも、学校の写真部の企画で「みっけ!!」というのを文化祭でやるらしく、その準備なのだとか。。ちなみに「みっけ!!」というのは、絵本で有名なウォーリーをさがせ、の実写版みたいなものらしいです。

そうして親子で二人して写真を撮っていたら、崖上から先ほどの店長さんが下りてきました。

メロンアイスと手ドリップ水出しアイスコーヒーのお代をPayPayで決済したのですが、代金計算するときに間違えて過剰決済してしまったと言って、わざわざ差額を(210円ほどなんですが)持って来てくれたのです。

まだ帰らずここに居てくれて良かったです、と言って笑っておられましたが、私たちがここに居ることは知らないはずなので、クルマがまだ停めてあることを確認してから、結構方々を探されたのではないかなと思います。田舎の方たちは親切だとよく言われますが、まさにそれを地でいく出来事でした。

ところが話はそこで終わらないんです。

差額のお金を届けてくれて、そのまま戻っていくものと思っていたら写真を撮っている私たちの傍まで来てこれ見てください、って言うんです。

えっ?なに?

 

波が打ち寄せる崖や岩場の写真ばかり撮っていた私たちは、肝腎の絶景を完全に見落としていました!!

店長さんが指差す方向には、なんと!!玄武洞と同じ柱状節理がありました!!

玄武洞ほどの規模はありませんが確かに六角柱の石板が積み上がったような構造をしています。しかも玄武洞みたいな立入禁止柵などもなく直接触れることができます。

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玄武洞と同じ柱状節理が手付かずで見られる

これは凄いですね、玄武洞と同じ構造ですよね。

そんな風に聞いてみると、玄武洞のところに書いていたのと同じだけど、もっと分かりやすく、柱状節理の形成と成り立ちの説明をしてくれました。

 

玄武洞は柵があってこんな近くまで寄れないし、国の天然記念物だからほんの一欠片でも不用意に拾って持ち帰ると捕まるらしいですよ

私がそう言うとめちゃくちゃ驚いた様子で、ここのは好きなだけ自由に持って帰って貰っていいですよ、、と笑っておられました。

 

ひょんなことから親切な店長さんと知り合い、そのおかげでこんな絶景にも出会えました。

今まで、旅先でのトラブルって、せっかくの楽しい気持ちが台無しになったり気分が萎えてしまったりであまり良い思い出はなかったんです。

でも、その分をなんとか取り戻そうと足掻きまくれば、実は今までの出来事も今回のように事態を好転させることができたかもしれないな、と考えさせられるのに十分過ぎる経験でした。