半ば釣られた格好ですが、息子と一緒に伊吹山山頂を目指しました。
通常、山を登るイメージは樹々の茂る木陰の山道を、枝や葉っぱを避けながら進む感じ。時折空が抜けることはあっても、大体は左右のどちらかに山の斜面、もう片方は崖、という感じだと思いますが、私たちが登った山道はそうしたイメージとはかけ離れていました。
山の斜面には違いないのですが、小さい頃に読んだ絵本の挿絵によく見られた、丸っこい緑色の山の表面に平坦な白っぽく細い道すじが蛇行して描かれている感じ(わかりますかね?)。そんな感じで、割と背の低い草原に近い山に砂利敷きの道すじが通っているのです。
斜度が緩めなので小さな子供や杖つきの高齢者でもわりと登りやすいようです。
ただ砂利敷きは靴が滑るというか、踏み込んだときにズレるので、足首をしっかりホールドしてくれる底の硬い登山靴のほうが向いているかもしれません。まあつまりどんな道でも、登山をするなら登山靴がベストな選択と言えるのでしょう。
さて、登り口の表示には「山頂まで40分」と書かれています。
ええーっ!そんなに掛かるのお?!
ほんの出来心で立ち寄っただけという感覚の私には40分という時間はえらく長く感じましたが実際にマイペースで登ってみると30分くらいだと思います。
途中、写真を撮りながら登っていくので、ずっとただ登っていくのよりは気分的にはラクでした。
更に言えば、ある程度まで登るとそれまで伊吹山自体の斜面しか見えなかった景色がパアッと開けて、四方や遠景まで見渡せるようになります。そうすると吹く風も涼しげに感じられるようになり、ああ〜、来て良かったあ〜という気分になります。
登っている途中で道を塞いで立ち止まっている人たちがいました。
何をしているんだろう、と思っていると、実は先刻から愛らしいウグイスの声がしていたのですが、少し上手の木の枝にウグイスが止まって鳴いているのを見つけた人が、写真を撮るのに立ち止まっていたのでした。スマホで撮ろうとカメラを向けるのですが、どこにいるのか捉えられずに他の人に聞いてるようです。
私はすぐにウグイスの姿を見つけ、息子にも教えて二人で何枚か撮りました。
騒ぎに驚いたのか、しばらく後ウグイスは飛び立ってしまいましたが、こういうシーンに巡り逢えるから自然の中に身を置くのは楽しいですね。
山頂に着くと、そこには山の売店がありちょっとした休憩スポットになっています。
かき氷やアイスなど、暑くて汗だくになった私にはめちゃくちゃ魅力的な食べ物があります。でも息子が、とりあえず先に写真を撮りたいというので、ひとまずは山頂のモニュメントへ向かいました。
伊吹山には大和武尊(ヤマトタケルノミコト)を祀ったような山頂石碑があり、登頂を果たした人はみんなこの前で写真を撮ります。
そう言えば以前、息子がうんと小さい頃に登ったとき、この山頂石碑の前で写真を撮っていた年配のおじさんが足を滑らせて転倒したのに出会した記憶が蘇りました。
私ももはや他人事と笑えない年齢ですので、慎重に足下に注意しながら石碑の前で写真を撮りました。
伊吹山の山頂は、ちょっとした広さのある広場になっていて、季節が合えばチューリップとかポピーとか色とりどりの花が咲いているのをみることができます。生憎今の季節は葉っぱ盛りであまり花景色は見られませんでしたが、花の全盛期ともなれば素晴らしい光景が広がります。
ひとしきり写真を撮った私たちは、再び山の売店に戻りかき氷を買いました。息子はマンゴーみつのかき氷、私は定番の抹茶みつ&練乳がけにしました。
山頂と言えども、暑いのに変わりはありません。いい風が吹いているのがせめてもの救い、という感じでした。
その中で食べるかき氷はもうサイコー!!